Pythonで複数のサブプロットに共通のカラーバーを追加する方法
PythonのデータビジュアライゼーションライブラリであるMatplotlibを使用して、複数のサブプロットに共通のカラーバーを追加する方法を解説します。カラーバーは、プロットのデータ範囲を視覚的に示す重要な要素です。特に、複数のサブプロットを比較する際に、共通のカラーバーがあると便利です。
共通のカラーバーを持つサブプロットの作成
まず、基本的なセットアップから始めます。ここでは、2×2のサブプロットを作成し、それぞれにランダムなデータをプロットします。その後、共通のカラーバーを追加します。
import matplotlib.pyplot as plt import numpy as np # データの生成 data1 = np.random.rand(10, 10) data2 = np.random.rand(10, 10) data3 = np.random.rand(10, 10) data4 = np.random.rand(10, 10) # FigureとAxesの作成 fig, axs = plt.subplots(2, 2, figsize=(8, 8)) # 各サブプロットに画像を描画 cax1 = axs[0, 0].imshow(data1, vmin=0, vmax=1) cax2 = axs[0, 1].imshow(data2, vmin=0, vmax=1) cax3 = axs[1, 0].imshow(data3, vmin=0, vmax=1) cax4 = axs[1, 1].imshow(data4, vmin=0, vmax=1) # 共通のカラーバーを追加 fig.colorbar(cax1, ax=axs, orientation='vertical', fraction=0.046, pad=0.04) plt.show()
このコードでは、fig.colorbar()
関数を使用して、すべてのサブプロットに対して共通のカラーバーを追加しています。ax=axs
パラメータによって、すべてのサブプロットが対象となります。
カラーバーのカスタマイズ
次に、カラーバーの外観をカスタマイズする方法を見てみましょう。カラーバーのサイズや位置を調整することができます。
# カラーマップとノルムを設定 cmap = plt.cm.viridis norm = plt.Normalize(vmin=0, vmax=1) # FigureとAxesの作成 fig, axs = plt.subplots(2, 2, figsize=(8, 8)) # 各サブプロットに画像を描画 axs[0, 0].imshow(data1, cmap=cmap, norm=norm) axs[0, 1].imshow(data2, cmap=cmap, norm=norm) axs[1, 0].imshow(data3, cmap=cmap, norm=norm) axs[1, 1].imshow(data4, cmap=cmap, norm=norm) # カラーバーの追加とカスタマイズ cbar = fig.colorbar(plt.cm.ScalarMappable(norm=norm, cmap=cmap), ax=axs, orientation='horizontal', fraction=0.05, pad=0.1) cbar.set_label('Color Scale') plt.show()
この例では、カラーバーを水平に配置し、fraction
とpad
パラメータを使用してサイズと位置を調整しています。また、set_label()
メソッドでラベルを追加しています。
異なるデータ範囲を持つサブプロットへの対応
最後に、異なるデータ範囲を持つサブプロットに共通のカラーバーを追加する方法を紹介します。これには、すべてのデータセットの最小値と最大値を計算し、カラーバーのノルムを統一する必要があります。
# 異なるデータ範囲の生成 data1 = np.random.rand(10, 10) * 100 data2 = np.random.rand(10, 10) * 200 data3 = np.random.rand(10, 10) * 300 data4 = np.random.rand(10, 10) * 400 # 全データの最小値と最大値を計算 vmin = min(data1.min(), data2.min(), data3.min(), data4.min()) vmax = max(data1.max(), data2.max(), data3.max(), data4.max()) # FigureとAxesの作成 fig, axs = plt.subplots(2, 2, figsize=(8, 8)) # 各サブプロットに画像を描画 axs[0, 0].imshow(data1, cmap=cmap, vmin=vmin, vmax=vmax) axs[0, 1].imshow(data2, cmap=cmap, vmin=vmin, vmax=vmax) axs[1, 0].imshow(data3, cmap=cmap, vmin=vmin, vmax=vmax) axs[1, 1].imshow(data4, cmap=cmap, vmin=vmin, vmax=vmax) # カラーバーの追加 cbar = fig.colorbar(plt.cm.ScalarMappable(norm=plt.Normalize(vmin=vmin, vmax=vmax), cmap=cmap), ax=axs, orientation='vertical', fraction=0.046, pad=0.04) cbar.set_label('Unified Color Scale') plt.show()
このコードでは、すべてのデータセットの範囲を統一することで、異なるスケールを持つデータを一貫したカラーバーで表示しています。これにより、視覚的な比較が容易になります。
まとめ
この記事では、PythonのMatplotlibを使用して、複数のサブプロットに共通のカラーバーを追加する方法を紹介しました。カラーバーの配置やカスタマイズ、異なるデータ範囲への対応方法についても説明しました。これらのテクニックを活用して、より効果的なデータビジュアライゼーションを実現してください。
サブプロットとは、グラフ内に複数の小さなグラフを配置する方法です。すべてのサブプロットに1つのカラーバーを持つためには、matplotlibライブラリを使用してプロットを作成する際に、カラーマップを指定する必要があります。カラーマップは、データの値を色に変換するための方法を定義します。
具体的には、各サブプロットを作成する際に、plt.imshow()やplt.scatter()などの関数を使用してデータをプロットし、その際にcmapパラメータを指定してカラーマップを設定します。その後、plt.colorbar()関数を使用してカラーバーを追加します。
このようにすることで、すべてのサブプロットに1つのカラーバーを持つグラフを作成することができます。