Javaは、オブジェクト指向プログラミング言語として広く使用されており、プラットフォームに依存しない特性で知られています。本記事では、Javaの基本的な概要と開発環境の設定方法について詳しく説明します。
Javaとは何か?
Javaは、1995年にサン・マイクロシステムズ(現在はオラクル社)によって開発された高水準プログラミング言語です。「一度書けば、どこでも実行できる(Write Once, Run Anywhere)」という理念のもと、Java仮想マシン(JVM)上でコードを実行することで、プラットフォーム非依存性を実現しています。
Javaの主な特徴
Javaには以下のような特徴があります:
- オブジェクト指向:コードの再利用性と拡張性を高めます。
- プラットフォーム非依存:JVM上で動作するため、異なるOS間でも同じコードを実行可能です。
- 豊富な標準ライブラリ:ネットワーク、データベース、GUIなど、多岐にわたる機能を提供します。
開発環境の設定
Javaでプログラミングを始めるためには、適切な開発環境を設定する必要があります。以下にその手順を説明します。
1. Java Development Kit(JDK)のインストール
まず、JDKをインストールします。JDKには、Javaコンパイラやランタイム環境など、開発に必要なツールが含まれています。
- オラクルの公式サイトから最新のJDKをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってインストールします。
2. 環境変数の設定
JDKをインストールした後、コマンドラインからJavaを使用できるように環境変数を設定します。
Windowsの場合
- 「システムのプロパティ」を開き、「環境変数」をクリックします。
- 「システム環境変数」から「Path」を選択し、「編集」をクリックします。
- JDKの「bin」ディレクトリへのパスを追加します(例:
C:\Program Files\Java\jdk-17\bin
)。
macOS/Linuxの場合
ターミナルで以下のコマンドを実行し、.bash_profile
または.bashrc
ファイルにパスを追加します。
export PATH=$PATH:/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-17.jdk/Contents/Home/bin
3. 統合開発環境(IDE)の設定
コードを書くためのIDEを選択します。おすすめのIDEは以下の通りです。
- Eclipse:無料で使えるオープンソースのIDE。
- IntelliJ IDEA:高機能なコード補完とデバッグ機能を備えています。
- Visual Studio Code:拡張機能を追加することでJava開発が可能です。
初めてのJavaプログラム
環境が整ったら、簡単なプログラムを書いてみましょう。
Hello Worldプログラム
以下は、コンソールに「Hello, World!」と表示するプログラムです。
public class HelloWorld { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello, World!"); } }
このコードをHelloWorld.java
というファイル名で保存します。
プログラムのコンパイルと実行
ターミナルまたはコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。
# コンパイル javac HelloWorld.java # 実行 java HelloWorld
正しく実行されると、「Hello, World!」と表示されます。
ユーザー入力を受け取るプログラム
次に、ユーザーから名前を入力してもらい、挨拶を表示するプログラムです。
import java.util.Scanner; public class GreetUser { public static void main(String[] args) { Scanner scanner = new Scanner(System.in); System.out.print("あなたの名前を入力してください: "); String name = scanner.nextLine(); System.out.println("こんにちは、" + name + "さん!"); scanner.close(); } }
このプログラムでは、Scanner
クラスを使用してユーザー入力を受け取ります。
簡単な計算プログラム
最後に、2つの数値を足し合わせるプログラムです。
import java.util.Scanner; public class SumNumbers { public static void main(String[] args) { Scanner scanner = new Scanner(System.in); System.out.print("最初の数値を入力してください: "); int num1 = scanner.nextInt(); System.out.print("次の数値を入力してください: "); int num2 = scanner.nextInt(); int sum = num1 + num2; System.out.println("合計は: " + sum); scanner.close(); } }
このプログラムもScanner
クラスを使用し、ユーザーから整数を2つ受け取り、その合計を表示します。
まとめ
Javaの基本的な概要と開発環境の設定方法について解説しました。JDKのインストールから簡単なプログラムの作成・実行まで、一連の流れを理解することで、Javaプログラミングの第一歩を踏み出すことができます。