Pythonにおける’super’の役割
Pythonにおける’super’は、継承関係において親クラス（スーパークラス）のメソッドや属性にアクセスするための仕組みです。通常、サブクラス（子クラス）のメソッド内で’super’を使用して親クラスのメソッドを呼び出すことができます。これにより、コードの再利用性や拡張性が向上し、継承関係が柔軟になります。
明示的なスーパークラスの__init__()とsuper().__init__()の違い
明示的なスーパークラスの`__init__()`メソッドを呼び出す方法と、`super().__init__()`を使用する方法にはいくつかの違いがあります。明示的な呼び出しでは、親クラスの名前を直接指定する必要がありますが、`super()`を使用すると、動的に現在のクラスの親クラスを特定し、その親クラスの`__init__()`メソッドを呼び出すことができます。これにより、クラスの変更や継承関係の変更に柔軟に対応できます。
サンプルコード1：明示的なスーパークラスの__init__()の呼び出し
class Parent:
def __init__(self):
print("Parent init")
class Child(Parent):
def __init__(self):
Parent.__init__(self)
print("Child init")
child = Child()
出力：
Parent init Child init
サンプルコード2：super().__init__()を使用したスーパークラスの__init__()の呼び出し
class Parent:
def __init__(self):
print("Parent init")
class Child(Parent):
def __init__(self):
super().__init__()
print("Child init")
child = Child()
出力：
Parent init Child init
サンプルコード3：継承関係の変更に対応するsuper().__init__()の利点
class GrandParent:
def __init__(self):
print("GrandParent init")
class Parent(GrandParent):
def __init__(self):
super().__init__()
print("Parent init")
class Child(Parent):
def __init__(self):
super().__init__()
print("Child init")
child = Child()
出力：
GrandParent init Parent init Child init
Pythonにおける`super`は、親クラス（スーパークラス）のメソッドを呼び出すための組み込み関数です。`super().__init__()`を使用すると、現在のクラスの親クラスの`__init__()`メソッドを呼び出すことができます。これにより、親クラスの初期化処理を適切に実行することができます。
一方、明示的なスーパークラスの`__init__()`を呼び出す場合は、親クラスのメソッドを直接指定して呼び出すことになります。これにより、`super()`を使用する場合と比べて、クラスの階層構造が変更された場合に修正が必要になる可能性があります。
したがって、`super()`を使用することで、クラスの継承関係が変更されてもコードの修正が最小限に抑えられる利点があります。