C言語 #22: 文字列(Strings)

独習C

Cプログラミングにおいて、文字列(Strings)は文字の連続として扱われ、テキストデータを操作するための基本的なデータ型の一つです。

文字列を効果的に扱うことで、ユーザー入力の処理やテキストファイルの操作、文字列の検索や変更といった多くの場面でプログラムの柔軟性と機能性を向上させることができます。

このガイドでは、C言語における文字列の定義方法、基本操作、標準ライブラリ関数の活用方法、そしてよく使用される実践的な例について詳しく説明します。これにより、文字列を自在に操作し、実用的なアプリケーションを開発するための基礎を築くことができるでしょう。

文字列の宣言と初期化

C言語では、文字列をchar型の配列として宣言し、初期化します。

文字列の宣言

#include <stdio.h>

int main() {
    char str[20]; // 長さ20の文字配列を宣言
    return 0;
}

文字列の初期化

文字列を宣言すると同時に初期化することができます。

#include <stdio.h>

int main() {
    char str[20] = "Hello, World!"; // 文字列を初期化
    printf("%s\n", str);
    return 0;
}

出力:

Hello, World!

文字列の入力と出力

文字列を入力および出力するために、scanf関数とprintf関数を使用します。

文字列の入力

#include <stdio.h>

int main() {
    char name[50];
    printf("名前を入力してください: ");
    scanf("%s", name);
    printf("こんにちは、%sさん!\n", name);
    return 0;
}

出力:

名前を入力してください: Taro
こんにちは、Taroさん!

文字列操作

文字列操作には、文字列の長さを取得したり、文字列をコピーしたり、文字列を結合したりするための標準関数があります。

文字列の長さを取得する

strlen関数を使用して、文字列の長さを取得できます。string.hヘッダーファイルをインクルードする必要があります。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str[] = "Hello, World!";
    int length = strlen(str);
    printf("文字列の長さ: %d\n", length);
    return 0;
}

出力:

文字列の長さ: 13

文字列をコピーする

strcpy関数を使用して、文字列を他の文字列にコピーできます。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char src[] = "Hello, World!";
    char dest[20];
    strcpy(dest, src);
    printf("コピーされた文字列: %s\n", dest);
    return 0;
}

出力:

コピーされた文字列: Hello, World!

文字列を結合する

strcat関数を使用して、文字列を他の文字列に結合できます。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str1[20] = "Hello";
    char str2[] = ", World!";
    strcat(str1, str2);
    printf("結合された文字列: %s\n", str1);
    return 0;
}

出力:

結合された文字列: Hello, World!

文字列を比較する

strcmp関数を使用して、2つの文字列を比較できます。文字列が同じ場合は0を返し、異なる場合は正または負の値を返します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str1[] = "Hello";
    char str2[] = "Hello";
    char str3[] = "World";

    if (strcmp(str1, str2) == 0) {
        printf("%s と %s は同じです。\n", str1, str2);
    } else {
        printf("%s と %s は異なります。\n", str1, str2);
    }

    if (strcmp(str1, str3) == 0) {
        printf("%s と %s は同じです。\n", str1, str3);
    } else {
        printf("%s と %s は異なります。\n", str1, str3);
    }

    return 0;
}

出力:

Hello と Hello は同じです。
Hello と World は異なります。

文字列の連結

複数の文字列を連結するには、strcat関数を使用します。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char str1[100] = "C言語で";
    char str2[] = "文字列を";
    char str3[] = "操作します。";

    strcat(str1, str2);
    strcat(str1, str3);

    printf("連結された文字列: %s\n", str1);

    return 0;
}

出力:

連結された文字列: C言語で文字列を操作します。

文字列の部分コピー

strncpy関数を使用して、指定された長さの文字列をコピーすることができます。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    char src[] = "Hello, World!";
    char dest[10];
    strncpy(dest, src, 5);
    dest[5] = '\0'; // NULL文字を追加して終端する
    printf("部分コピーされた文字列: %s\n", dest);
    return 0;
}

出力:

部分コピーされた文字列: Hello

総合例

以下に、ここまで学んだ文字列の知識を統合したプログラムを示します。このプログラムでは、文字列の宣言と初期化、入力と出力、操作(長さの取得、コピー、結合、比較)を行います。

#include <stdio.h>
#include <string.h>

int main() {
    // 文字列の宣言と初期化
    char str1[20] = "Hello, World!";
    char str2[20];
    char str3[50];

    // 文字列の入力
    printf("文字列を入力してください: ");
    scanf("%s", str2);
    
    // 文字列の出力
    printf("入力された文字列: %s\n", str2);

    // 文字列の長さを取得
    int length = strlen(str1);
    printf("str1の長さ: %d\n", length);

    // 文字列のコピー
    strcpy(str3, str1);
    printf("コピーされた文字列: %s\n", str3);

    // 文字列の結合
    strcat(str3, " ");
    strcat(str3, str2);
    printf("結合された文字列: %s\n", str3);

    // 文字列の比較
    if (strcmp(str1, str2) == 0) {
        printf("%s と %s は同じです。\n", str1, str2);
    } else {
        printf("%s と %s は異なります。\n", str1, str2);
    }

    return 0;
}

結論

文字列は、C言語で非常に重要なデータ型です。文字列の基本的な操作から、標準ライブラリ関数を使用した応用的な操作までを理解することで、より複雑なプログラムを作成することができます。これらの知識を活用して、効率的で効果的な文字列操作を行いましょう。

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