OpenCV-Pythonでシンプルな数字認識OCRを実装する方法
OpenCV-Pythonは、画像処理とコンピュータビジョンの分野で広く利用されている強力なライブラリです。このガイドでは、OpenCVとPythonを使用してシンプルな数字認識OCR(光学文字認識)を実装する方法について説明します。この記事は、初心者から中級者向けの内容で、関連する知識と明確なサンプルコードを提供します。
OCRとは何か?
OCR(光学文字認識)は、印刷されたテキストや手書きの文字をデジタルデータに変換する技術です。このプロセスは、紙の書類をスキャンして、コンピュータが理解できる形式に変換する際に使用されます。OCRは、文書管理、デジタルアーカイブ、データ入力の自動化など、さまざまな分野で利用されています。
必要なライブラリのインストール
まず、OpenCVと他の必要なライブラリをインストールする必要があります。以下のコマンドを使用して、必要なパッケージをインストールしてください。
pip install opencv-python opencv-python-headless numpy
サンプルコード1: 画像の読み込みと前処理
最初のステップは、画像を読み込み、OCRに適した形式に前処理することです。以下のコードは、画像をグレースケールに変換し、しきい値処理を行います。
import cv2 # 画像を読み込む image = cv2.imread('digits.png') # グレースケールに変換 gray = cv2.cvtColor(image, cv2.COLOR_BGR2GRAY) # しきい値処理 _, thresh = cv2.threshold(gray, 127, 255, cv2.THRESH_BINARY_INV) # 結果を表示 cv2.imshow('Thresholded Image', thresh) cv2.waitKey(0) cv2.destroyAllWindows()
このコードを実行すると、しきい値処理された画像が表示されます。これにより、数字が背景から際立ち、認識が容易になります。
サンプルコード2: 輪郭の検出と数字の抽出
次に、画像から数字を抽出するために輪郭を検出します。以下のコードは、各数字を個別に抽出します。
# 輪郭を検出 contours, _ = cv2.findContours(thresh, cv2.RETR_EXTERNAL, cv2.CHAIN_APPROX_SIMPLE) # 各輪郭をループ処理 for cnt in contours: x, y, w, h = cv2.boundingRect(cnt) digit = thresh[y:y+h, x:x+w] cv2.imshow('Digit', digit) cv2.waitKey(0) cv2.destroyAllWindows()
このコードは、画像内の各数字を個別に表示します。これにより、各数字を個々に認識する準備が整います。
サンプルコード3: KNNを使用した数字認識
最後に、KNN(K近傍法)を使用して数字を認識します。以下のコードでは、OpenCVのKNNモジュールを使用して、事前に訓練されたデータセットを用いて数字を認識します。
import numpy as np # データセットの読み込み digits = cv2.imread('digits.png', 0) cells = [np.hsplit(row, 100) for row in np.vsplit(digits, 50)] # 画像データを配列に変換 x = np.array(cells) train = x[:, :50].reshape(-1, 400).astype(np.float32) test = x[:, 50:100].reshape(-1, 400).astype(np.float32) # ラベルの作成 k = np.arange(10) train_labels = np.repeat(k, 250)[:, np.newaxis] test_labels = train_labels.copy() # KNNモデルの訓練と評価 knn = cv2.ml.KNearest_create() knn.train(train, cv2.ml.ROW_SAMPLE, train_labels) ret, result, neighbours, dist = knn.findNearest(test, k=5) # 精度の計算 matches = result == test_labels correct = np.count_nonzero(matches) accuracy = correct * 100.0 / result.size print(f'Accuracy: {accuracy}%')
このコードは、KNNを使用して数字を認識し、テストデータセットに対する精度を表示します。通常、精度は90%以上になることが期待されます。
結論
この記事では、OpenCV-Pythonを使用してシンプルな数字認識OCRを実装する方法を紹介しました。このプロセスは、画像の前処理、輪郭の検出、KNNによる認識の3つの主要なステップで構成されています。これにより、画像内の数字を効果的に認識し、デジタルデータとして利用することができます。
この技術は、実際のアプリケーションでのOCRの基礎を理解するために非常に有用です。さらに学習を進めることで、より高度なOCRシステムを構築することが可能です。
OpenCV-Pythonにおけるシンプルな数字認識OCRは、画像処理ライブラリであるOpenCVを使用して数字の認識を行う技術です。この技術を使用すると、画像やビデオから数字を抽出し、テキストとして読み取ることができます。
OpenCV-Pythonを使用すると、画像処理のための多くの機能が利用できます。数字認識OCRでは、まず画像から数字を検出するための前処理が必要です。これには、画像の二値化やフィルタリングなどが含まれます。
次に、検出された数字を認識するために、機械学習アルゴリズムやパターン認識アルゴリズムを使用します。これにより、数字を正確に認識し、テキストとして出力することが可能となります。
OpenCV-Pythonにおけるシンプルな数字認識OCRは、画像処理の基本的な知識とPythonプログラミングスキルがあれば比較的簡単に実装することができます。数字認識OCRの応用例としては、自動ナンバープレート認識や手書き数字認識などが挙げられます。