Pythonのモック複数の返り値

PYTHON3 チュートリアル

Pythonのモック機能で異なる返り値を設定する方法

Pythonには、テストの際に外部依存をシミュレートするための強力なツールであるモック機能が用意されています。特に、異なる返り値を設定することで、さまざまなシナリオを簡単にテストできます。本記事では、Pythonのモック機能を使って、複数の異なる返り値を設定する方法について詳しく説明します。

モックの基本的な使い方

Pythonの標準ライブラリであるunittest.mockを使用すると、関数やメソッドの動作を模倣することができます。まずは、モックの基本的な使い方を見てみましょう。

from unittest.mock import Mock

# モックオブジェクトを作成
mock_obj = Mock()

# 返り値を設定
mock_obj.return_value = "Hello, World!"

# モックを呼び出し
result = mock_obj()

print(result)  # 出力: Hello, World!

複数の異なる返り値を設定する

次に、モックを使って異なる返り値を設定する方法を見てみましょう。side_effectを使用することで、呼び出しごとに異なる返り値を設定できます。

from unittest.mock import Mock

# モックオブジェクトを作成
mock_obj = Mock()

# side_effectを使って異なる返り値を設定
mock_obj.side_effect = ["First call", "Second call", "Third call"]

# モックを複数回呼び出し
print(mock_obj())  # 出力: First call
print(mock_obj())  # 出力: Second call
print(mock_obj())  # 出力: Third call

例外を返すモックの設定

モックは、例外を発生させることも可能です。これにより、エラーハンドリングのテストを行うことができます。

from unittest.mock import Mock

# モックオブジェクトを作成
mock_obj = Mock()

# side_effectを使って例外を設定
mock_obj.side_effect = [1, 2, Exception("Something went wrong")]

# モックを複数回呼び出し
print(mock_obj())  # 出力: 1
print(mock_obj())  # 出力: 2
try:
    print(mock_obj())  # 例外が発生
except Exception as e:
    print(e)  # 出力: Something went wrong

実践的なユースケース

次に、実際のユースケースでモックを使用する例を示します。例えば、外部APIを呼び出す関数のテストを行う場合です。

import requests
from unittest.mock import patch

def fetch_data(url):
    response = requests.get(url)
    return response.json()

# requests.getをモックする
with patch('requests.get') as mocked_get:
    # 異なる返り値を設定
    mocked_get.side_effect = [
        Mock(status_code=200, json=lambda: {"data": "First response"}),
        Mock(status_code=200, json=lambda: {"data": "Second response"}),
        Mock(status_code=500, json=lambda: {"error": "Server error"})
    ]

    print(fetch_data("http://example.com"))  # 出力: {'data': 'First response'}
    print(fetch_data("http://example.com"))  # 出力: {'data': 'Second response'}
    try:
        print(fetch_data("http://example.com"))  # 例外が発生する可能性がある
    except Exception as e:
        print(e)  # 出力: {'error': 'Server error'}

まとめ

モックを使用することで、異なる返り値や例外を簡単に設定し、テストシナリオを豊富にすることができます。これにより、コードの堅牢性を高め、予期しない動作を防ぐことが可能になります。モック機能を活用して、より効率的なテストを行いましょう。

Pythonにおいて、モック(Mock)はテスト中に他のオブジェクトを模倣するために使用されるツールです。モックを使用すると、テスト中に本物のオブジェクトを置き換えて、テストの制御を容易にすることができます。

モックが複数の返り値を持つ場合、複数のシナリオをテストする際に便利です。モックを設定する際に、複数の返り値を指定することで、異なる状況における振る舞いをテストすることができます。

例えば、ある関数が異なる引数に対して異なる値を返す必要がある場合、モックを使用してそれらのケースをテストすることができます。複数の返り値を持つモックを設定するには、モックオブジェクトのside_effect属性を使用して、複数の返り値を指定します。

モックの複数の返り値を活用することで、より包括的なテストを行うことができます。異なるケースや条件に対して適切に振る舞うかどうかを確認するために、複数の返り値を持つモックを活用してテストケースを作成しましょう。

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