Pythonのsetup.py: developとinstallの違い
Pythonでパッケージを開発する際に、setup.py
は非常に重要な役割を果たします。このファイルは、パッケージのメタデータや依存関係を定義し、インストールや配布を簡単にします。setup.py
には主に2つのコマンドがあります:develop
とinstall
です。それぞれのコマンドには独自の特徴と用途があり、開発者がどのようにパッケージを扱うかに影響を与えます。
setup.py install
setup.py install
は、パッケージをシステムにインストールするためのコマンドです。このコマンドを実行すると、パッケージはシステムのPython環境にコピーされ、どこからでも利用可能になります。これは、パッケージを開発するというよりは、使用する目的に適しています。
# setup.py from setuptools import setup, find_packages setup( name='mypackage', version='0.1', packages=find_packages(), )
上記のsetup.py
を使用してパッケージをインストールするには、以下のコマンドを実行します。
python setup.py install
このコマンドを実行すると、mypackage
はPythonのサイトパッケージディレクトリにコピーされ、他のPythonスクリプトからインポートできるようになります。
setup.py develop
setup.py develop
は、開発中のパッケージを「リンク」するためのコマンドです。これにより、パッケージを編集するたびに再インストールする必要がなくなります。このコマンドは、開発中のコードを即座にテストしたい場合に非常に便利です。
python setup.py develop
このコマンドを実行すると、パッケージはシステムにインストールされますが、実際にはディスク上の元のコードへのシンボリックリンクが作成されます。このため、コードを変更すると、インストールされたパッケージも即座に更新されます。
具体的な使用例
以下に、setup.py install
とsetup.py develop
の違いを具体的な例で示します。
まず、mypackage
というパッケージを作成し、hello.py
というモジュールを含めます。
# mypackage/hello.py def greet(): return "Hello, World!"
次に、このパッケージをsetup.py
を使用してインストールします。
python setup.py install
インストール後、Pythonシェルで以下のようにインポートして使用できます。
from mypackage.hello import greet print(greet()) # 出力: Hello, World!
次に、setup.py develop
を使用してパッケージを開発モードでインストールします。
python setup.py develop
この状態でhello.py
を編集し、メッセージを変更します。
# mypackage/hello.py def greet(): return "Hello, Python!"
再度Pythonシェルで確認すると、即座に変更が反映されます。
from mypackage.hello import greet print(greet()) # 出力: Hello, Python!
まとめ
setup.py install
は、パッケージをシステムに固定的にインストールし、安定した環境での利用に適しています。一方、setup.py develop
は、開発中のパッケージを動的にリンクし、変更を即座に反映させたい場合に便利です。これらのコマンドを適切に使い分けることで、効率的なPythonパッケージの開発と利用が可能になります。
setup.pyのdevelopとinstallの違いは、Pythonプロジェクトの開発と依存関係管理に関連しています。
– setup.py develop: このコマンドは、プロジェクトを開発モードにインストールします。つまり、プロジェクトのソースコードが直接参照され、変更が即座に反映されます。他のプロジェクトからの依存関係も解決されますが、システム全体にインストールされるわけではありません。
– setup.py install: 一方、このコマンドはプロジェクトをシステム全体にインストールします。プロジェクトのパッケージがPythonのsite-packagesディレクトリにコピーされ、他のプロジェクトからも利用可能になります。開発中の変更は反映されませんが、依存関係の解決やパッケージの有効化が行われます。
開発中のプロジェクトでは通常、developモードを使用して変更を即座に反映し、依存関係を管理します。一方、最終的なリリースやデプロイメント時にはinstallモードを使用して、安定した状態でプロジェクトを配布します。