## Python 3におけるdefaultdict of defaultdictの使い方
Pythonの標準ライブラリである`collections`モジュールには、非常に便利なデータ構造が含まれています。その中でも`defaultdict`は、キーが存在しない場合に自動的に初期値を設定する辞書としてよく利用されます。さらに、`defaultdict`の中に別の`defaultdict`をネストすることで、より複雑なデータ構造を簡単に扱うことができます。本記事では、`defaultdict of defaultdict`の使い方について詳しく解説します。
defaultdictとは?
`defaultdict`は、Pythonの`collections`モジュールに含まれるクラスで、通常の辞書と同様にキーと値のペアを保持しますが、キーが存在しない場合にデフォルトの値を自動で生成します。これにより、キーの存在チェックを行う必要がなくなり、コードがシンプルになります。
from collections import defaultdict # デフォルト値を整数0に設定したdefaultdict int_dict = defaultdict(int) int_dict['a'] += 1 print(int_dict) # 出力: defaultdict(, {'a': 1})
ネストされたdefaultdictの利点
ネストされた`defaultdict`を使用することで、辞書の中にさらに辞書を持つような複雑なデータ構造を簡単に扱うことができます。特に、多次元データやグループ化されたデータを扱う際に役立ちます。
例1: 二次元データの格納
以下の例では、`defaultdict`を使用して二次元データを格納します。外側の辞書は行を、内側の辞書は列を表します。
from collections import defaultdict # 二次元データを格納するdefaultdict of defaultdict matrix = defaultdict(lambda: defaultdict(int)) # データの設定 matrix[0][0] = 1 matrix[0][1] = 2 matrix[1][0] = 3 print(matrix) # 出力: defaultdict(at 0x...>, {0: defaultdict( , {0: 1, 1: 2}), 1: defaultdict( , {0: 3})})
例2: グループ化されたデータの集計
次の例では、`defaultdict`を使用してカテゴリごとにデータを集計します。外側の辞書はカテゴリを、内側の辞書はサブカテゴリを表します。
from collections import defaultdict # グループ化されたデータを集計するdefaultdict of defaultdict data = [ ('fruit', 'apple', 10), ('fruit', 'banana', 5), ('vegetable', 'carrot', 7), ('fruit', 'apple', 3), ('vegetable', 'carrot', 2), ] grouped_data = defaultdict(lambda: defaultdict(int)) for category, subcategory, count in data: grouped_data[category][subcategory] += count print(grouped_data) # 出力: defaultdict(at 0x...>, {'fruit': defaultdict( , {'apple': 13, 'banana': 5}), 'vegetable': defaultdict( , {'carrot': 9})})
例3: デフォルト値のカスタマイズ
デフォルト値をカスタマイズすることで、特定の初期状態を持つデータ構造を作成できます。以下の例では、リストをデフォルト値としています。
from collections import defaultdict # リストをデフォルト値とするdefaultdict of defaultdict list_dict = defaultdict(lambda: defaultdict(list)) # データの追加 list_dict['group1']['item1'].append('A') list_dict['group1']['item2'].append('B') list_dict['group2']['item1'].append('C') print(list_dict) # 出力: defaultdict(at 0x...>, {'group1': defaultdict( , {'item1': ['A'], 'item2': ['B']}), 'group2': defaultdict( , {'item1': ['C']})})
まとめ
Pythonの`defaultdict of defaultdict`は、複雑なデータ構造を扱う際に非常に便利です。キーが存在しない場合に自動で初期値を設定することで、コードの可読性を高め、バグを減らすことができます。デフォルト値をカスタマイズすることで、さまざまな用途に適したデータ構造を簡単に作成できます。
このようなデータ構造を活用することで、Pythonプログラムの柔軟性と効率性を向上させることができます。
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Python 3のdefaultdict of defaultdictは、Pythonの標準ライブラリであるcollectionsモジュールに含まれるデータ構造の一つです。defaultdictは通常の辞書(dictionary)と同様にキーと値のペアを格納しますが、存在しないキーにアクセスした際に自動的に新しい値を生成する点が異なります。
defaultdict of defaultdictは、さらにその値がdefaultdictであるという特徴を持ちます。これにより、ネストされたデータ構造を簡単に作成することができます。例えば、辞書のキーが文字列で、その値がさらに別の辞書であるような構造を作成する際に便利です。
以下は、defaultdict of defaultdictを使用した例です。
“`python
from collections import defaultdict# defaultdict of defaultdictを作成
data = defaultdict(lambda: defaultdict(int))# データの追加
data[‘A’][‘1’] = 10
data[‘A’][‘2’] = 20
data[‘B’][‘1’] = 30print(data)
“`この例では、’A’というキーの下にさらに’1’と’2’というキーを持つ辞書が作成され、’B’というキーの下に’1’というキーを持つ辞書が作成されています。defaultdict of defaultdictを使用することで、複雑なデータ構造を効率的に扱うことができます。