Python 3 での定数の扱い方
Python 3 では、変数を定数として扱うための専用の構文は提供されていません。通常、定数として扱いたい変数は、全て大文字を使用して命名することで区別します。しかし、これはあくまで慣習であり、技術的な制約ではないため、プログラマが意図的に値を変更することは可能です。より厳密な定数の扱いを実現するには、いくつかの方法が考えられます。
例1: シンプルな大文字の使用
MAX_CONNECTIONS = 20 print(MAX_CONNECTIONS)
このコードは定数 MAX_CONNECTIONS
を定義し、その値を出力します。ただし、この値は後から変更することが可能です。
例2: クラスを使った定数の定義
class Constants: MAX_SIZE = 100 print(Constants.MAX_SIZE) # Constants.MAX_SIZE = 200 # この行をアンコメントすると、定数の値を変更できてしまいます。
この方法では、クラス内に定数を定義しています。クラス変数として定義されたため、外部から見た場合には定数のように扱うことができますが、値の変更を完全に防ぐわけではありません。
例3: モジュールを使った定数の管理
# constants.py モジュール PI = 3.14159 # 別のファイルからの使用例 import constants print(constants.PI) # constants.PI = 3.14 # この行をアンコメントすると、定数の値を変更できてしまいます。
別のファイル(モジュール)に定数を定義し、必要な場所でインポートして使用する方法です。この方法も、値の変更を技術的に防ぐわけではありませんが、モジュールとして定数を一箇所にまとめることで管理がしやすくなります。
厳密な定数の保証
Pythonで変数の値を絶対に変更できないようにする組み込みの方法は存在しません。上記の方法で慣習的に定数を扱うことはできますが、必要に応じて追加のライブラリを使用するか、プログラムの設計を見直すことで、変数の不用意な変更を防ぐ工夫が求められます。