PythonにおけるCasting(キャスト)とは、あるデータ型から別のデータ型への変換を指します。Pythonは動的型付け言語であり、変数のデータ型は代入される値によって自動的に決定されますが、時には明示的な型変換が必要な場合があります。
Pythonにおいては、以下のような方法でCastingを行うことができます:
1. int()、float()、str()などのビルトイン関数
これらの関数を使用して、数値や文字列などの基本的なデータ型を別の型に変換できます。たとえば、int()
関数を使用して文字列を整数に変換することができます。
以下に、それぞれのキャスト関数の例を示します:
int(): 文字列を整数に変換します。
str_num = "123" int_num = int(str_num) print(int_num) # 出力: 123
float(): 文字列や整数を浮動小数点数に変換します。
str_num = "3.14" float_num = float(str_num) print(float_num) # 出力: 3.14 int_num = 123 float_num = float(int_num) print(float_num) # 出力: 123.0
str(): 数値や他のデータ型を文字列に変換します。
num = 123 str_num = str(num) print(str_num) # 出力: "123" float_num = 3.14 str_float = str(float_num) print(str_float) # 出力: "3.14"
これらの関数を使用することで、必要に応じてPythonでデータ型の変換を行うことができます。
2. データ型のコンストラクタ
データ型のコンストラクタを使用して変換を行うこともできます。たとえば、int()
やfloat()
、str()
といったビルトインデータ型のコンストラクタを使用することで、同様の効果を得ることができます。
str_num = "123" int_num = int(str_num)
3. リストやタプルなどのコレクションの型変換
リストやタプルなどのコレクション型のデータも、list()
やtuple()
などのコンストラクタを使用して別の型に変換できます。
以下に、リストやタプルなどのコレクションの型変換の例を示します:
リストからタプルへの変換:
my_list = [1, 2, 3] my_tuple = tuple(my_list) print(my_tuple) # 出力: (1, 2, 3)
タプルからリストへの変換:
my_tuple = (1, 2, 3) my_list = list(my_tuple) print(my_list) # 出力: [1, 2, 3]
文字列からリストへの変換:
my_string = "hello" my_list = list(my_string) print(my_list) # 出力: ['h', 'e', 'l', 'l', 'o']
文字列からセットへの変換:
my_string = "hello" my_set = set(my_string) print(my_set) # 出力: {'e', 'h', 'o', 'l'}
セットからリストへの変換:
my_set = {'apple', 'banana', 'orange'} my_list = list(my_set) print(my_list) # 出力: ['orange', 'banana', 'apple']
辞書からリストへの変換:
my_dict = {'a': 1, 'b': 2, 'c': 3} my_list = list(my_dict.items()) print(my_list) # 出力: [('a', 1), ('b', 2), ('c', 3)]
これらの例では、Pythonのコレクション型の間で変換を行っています。list()
、tuple()
、set()
などの関数を使用して、データ型の変換を行うことができます。