Python3 #6: データ型 (Built-in Data Types)

独習 PYTHON 3

1. 組み込みデータ型

Pythonの組み込みデータ型(Built-in Data Types)とは、Pythonのプログラムで使用できる基本的なデータの種類のことです。これらのデータ型は、Pythonの言語仕様に組み込まれており、特定のデータを表現し、操作するための機能を提供します。主な組み込みデータ型には以下のものがあります:

  1. 整数 (int): 整数は整数値を表現するためのデータ型です。例えば、1, 100, -5 などが整数です。
  2. 浮動小数点数 (float): 浮動小数点数は実数値を表現するためのデータ型です。例えば、3.14, 2.718, 0.5 などが浮動小数点数です。
  3. 論理値 (bool): 論理値は真(True)か偽(False)のどちらかを表現するためのデータ型です。条件式の評価などで使用されます。
  4. 文字列 (str): 文字列は文字のシーケンスを表現するためのデータ型です。文字列はシングルクォート (') もしくはダブルクォート (") で囲むことで作成します。例えば、"hello", 'Python' などが文字列です。
  5. リスト (list): リストは複数の要素を順序付きで格納するためのデータ型です。リストは角括弧 ([]) で要素を囲んで作成し、要素はコンマで区切ります。例えば、[1, 2, 3], ['apple', 'banana', 'orange'] などがリストです。
  6. タプル (tuple): タプルも複数の要素を格納するためのデータ型で、リストと似ていますが、変更不可 (immutable) です。タプルは丸括弧 (()) で要素を囲んで作成し、要素はコンマで区切ります。例えば、(1, 2, 3), ('a', 'b', 'c') などがタプルです。
  7. 辞書 (dict): 辞書はキーと値のペアを格納するためのデータ型です。キーと値はコロン (:) で区切り、各ペアはコンマで区切ります。辞書は波括弧 ({}) で囲んで作成します。例えば、{'apple': 2, 'banana': 3, 'orange': 1} などが辞書です。
  8. 集合 (set): 集合は重複のない要素の集まりを表現するためのデータ型です。集合は波括弧 ({}) で要素を囲み、要素はコンマで区切ります。例えば、{1, 2, 3} などが集合です。

これらの組み込みデータ型は、Pythonプログラミングのさまざまな側面で広く使用されます。それぞれのデータ型には、その特性に合わせた操作やメソッドがあります。

2. 特定のデータ

特定のデータ(値やオブジェクト)がどの種類のデータ型に属しているかを確認することです。Pythonでは、ある値やオブジェクトのデータ型を取得するための組み込み関数 type() を使用します。

以下は type() 関数を使用してデータ型を取得する例です:

x = 5
y = "Hello"
z = [1, 2, 3]

print(type(x))  # 出力: <class 'int'>
print(type(y))  # 出力: <class 'str'>
print(type(z))  # 出力: <class 'list'>

この例では、x は整数型(int)、y は文字列型(str)、z はリスト型(list)です。type() 関数を使用することで、変数や値のデータ型を簡単に確認できます。

3. データ型の設定

Pythonでは、変数に値を代入することで、変数のデータ型が決まります。言い換えると、Pythonでは変数のデータ型は、その変数に代入される値によって決定されます。

例えば、次のようにして変数 x に整数値を代入すると、x のデータ型は整数型(int)になります:

x = 5

同様に、次のようにして変数 y に文字列を代入すると、y のデータ型は文字列型(str)になります:

y = "こんにちは"

変数に異なるデータ型の値を代入することで、その変数のデータ型が変わります。Pythonでは、動的型付け言語として知られており、変数のデータ型は宣言時に指定する必要がなく、実行時に値に基づいて自動的に決定されます。

そのため、Pythonにおいては明示的な「データ型の設定」が必要ないのです。データ型は、値によって自動的に設定されます。

4. 特定のデータ型の設定

Pythonでは、通常、変数に特定のデータ型を明示的に設定する必要はありません。変数に値を代入することで、Pythonは自動的にその変数のデータ型を決定します。ただし、一部のデータ型では、特定のデータ型を明示的に指定することができます。

以下は、特定のデータ型を設定する例です:

memoryview:

x = memoryview(bytes(5))

この場合、bytes(5) で作成された5バイトのバッファから memoryview オブジェクトが作成され、それが変数 x に代入されます。

bytearray:

x = bytearray(5)

bytearray オブジェクトは可変なバイト配列を表し、長さ5のバイト配列が作成され、変数 x に代入されます。

bytes:

x = bytes(5)

bytes オブジェクトは不変なバイト列を表し、長さ5のバイト列が作成され、変数 x に代入されます。

これらの例では、memoryviewbytearraybytes の各型を明示的に指定しています。これにより、それぞれの変数が特定のデータ型を持つことが保証されます。

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