中国でのAIエンジニアの月給が3,000 USD（約48万円）となり、最も高い給与を誇る分野となっている。
2024年第2四半期の給与統計は、中国の主要な求人プラットフォーム「Zhilian Zhaopin」によって公開され、AI分野の職務が前四半期比で月給が5.3%増加し、13,594 CNY（約1,870 USD、約47.5万円）に達したことが示された。
この結果により、AI分野はこれまで高給与で知られていた金融業界を超え、月給12,178-13,169 CNYを記録し、また他の職種の平均給与10,000 CNYを上回ることとなった。今回の報告では、AIが技術分野とは別の独立した分野として初めて分類された。
特にAIエンジニアの平均月給は22,000 CNY（約3,000 USD、約76.8万円）を超え、2024年第2四半期に中国で最も高給の20職種の中でトップとなった。この金額は、平均月給21,124 CNY（約73.8万円）の半導体エンジニアなどの他の人気職種をも上回っている。
AIエンジニアは、学歴や経験が高い場合や、組み込みソフトウェア開発やコンピュータビジョンのチームでの役割を持つ場合、さらに高い給与を得ることができる。SCMPによると、これは世界中でAIの開発が盛んになっていることを背景に、中国もこの分野での自立を目指しているためである。多くの企業が高い報酬を提示して優秀な人材を競い合っている。
Global Timesは、中国企業がより多くのAIアプリケーションを開発するために人材の需要が急増しているため、AI人材の高い給与が生じていると評価している。ByteDance、Huawei、Tencentなどの大手テクノロジー企業が、世界に通用する人材を引き付けるために競争しているという。最高の専門家は1,000,000 CNY（約3.4億円）を超える給与を受け取ることができると伝えられている。
中国の新世代AI開発戦略研究所のチーフエコノミストであるLiu Gang氏は、AIの進歩とその影響が他のすべての分野に及ぶことで、AIエンジニアの採用需要は今後も増加すると予測している。これにより、2024年にはエンジニアの給与基準が新たに設定される可能性がある。
しかし、専門家はAI人材市場が成熟するにつれて、企業は長期的な成長に合わせた採用活動や給与戦略の調整が必要であると警告している。
現在、中国には4,500社以上のAI企業が存在し、2023年には人工知能産業の規模が810億USDを超え、前年比13.9%の成長を遂げると見込まれている。しかし、人材の維持、熟練した専門家の供給と需要の不均衡、人材育成システムの必要性など、いくつかの課題にも直面している。